カプセル内視鏡
CAPSULEカプセル内視鏡と大腸3DCT
精密検査が出来るのは内視鏡検査だけです。
近年、内視鏡検査の代用としてカプセル内視鏡や大腸3DCT(CTによる仮想大腸内視鏡検査)が徐々に注目されています。
苦しいイメージの内視鏡に対してこれらの検査は楽なイメージがある為、これらの検査を受けたいと思う方もいらっしゃると思います。
私自身も新し物好きなので内視鏡に代わる画期的な検査方法があれば、内視鏡なんてさっさと見切りをつけてそちらに舵をとりますが、結論から言うとこれらの検査に自分の命運を任せるのはまだまだ先のようです。
カプセル内視鏡の得意分野は小腸だけです。
カプセル内視鏡はイスラエルで開発され日本の企業も参入している分野です。ご本人の身体にセンサーを装着したのち、カプセルを服用し、おしりから出るまでの間、カプセルが消化管の中を撮影し、センサーがそのデータを記録、そのデータをパソコンで解読し異常を発見するという手順になります。この検査も一部保険適応になりましたが、条件があります。それは胃カメラや大腸カメラで異常なかったものの消化管出血があり、小腸からの出血が疑われるケースだけです。つまり胃や大腸は現段階ではカプセル内視鏡では代用できないという事です。なぜかというと胃や大腸は内腔がとても広い臓器で、空気の内縮んだ状況では写真撮影は出来ても粘膜の状態は分らないのです。
つまり胃や大腸を観察する際は、空気や炭酸ガスを送り、内腔を広げてから観察しなければ詳しい事は分かりません。あの小さいカプセルから胃や大腸を広げるだけの空気を放出する事は無理ですし、出来たとしてもカプセル自体が自由自在に動くことはできない為、病気が写るのか写らないかは運しだいなのです。
将来的にはカプセルも遠隔操作が出来ると思いますが、胃や大腸の中を自由自在に動き回り病気を発見する事は当分は考えられません。唯一代用になるのは小腸だけで、小腸は管腔が非常に狭いため、空気を送らなくてもある程度観察は出来ます。この為、小腸に病気がある事が疑われる場合のみ、この検査を行う意味はありますが、胃や大腸を観察するには内視鏡検査しかありません。もちろんカプセル内視鏡の意義はあるので当院でも小腸の病気が疑われる場合は行える方向で考えています。
仮想大腸内視鏡検査3DCTは普及するのか?
最近、CTの精度が上がり、カテーテル検査をしなくても心臓の血管の狭窄が分かるようになり、大腸の分野でもその役割を期待されています。3DCTを採用する施設も多くなりましたが、これが大腸内視鏡検査の代用になるかはまだまだ疑問です。
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1. 大腸の中を綺麗にする必要
CTと言っても大腸の中はきれいにする必要はあり下剤を飲まなければならない事は内視鏡検査と同じです。下剤なしで検査が出来れば、内視鏡検査の代用になる可能性がありますが、内視鏡と同じように下剤をかけるならベテランの内視鏡医に検査してもらった方が10分で終わるので効率は断然上です。
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2. 被曝がある
昔ならいざ知らず大腸の検査で無駄な医療被曝は慎むべきと思います。心臓カテーテルを行うような状態は命に係わるケースが多いため、被曝云々と言っている場合ではないのですが、すぐに命に係わる可能性が低い大腸検査の為に被曝をしてまで検査を受けるメリットがないと考えます。
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3. 注腸検査と大差がない
検査で異常を見つけても結局、精密検査は大腸内視鏡検査になってしまうので、昔、よく行われていた注腸検査と大きな変わりはないのです。(これを言うと怒られそうですが、高級な注腸検査と言えるかもしれません)お金と時間、医療被曝に見合うだけのメリットは現時点ではないと言えます。もちろんどうしても大腸検査を受けられない人にとっては一つの選択肢ですが、働き盛りの方が受けるメリットは少ないと思いますし、私自身もこの検査は受けません。
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0120-15-7140
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【診療時間】平日:9時~18時(休憩13時~15時)
土曜:9時~16時(休憩13時~14時)※休診:水・日・祝
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