院長ブログ
BLOG逆流性食道炎という病名に医師も患者さんも騙されている!
2023年05月15日医療全般胃内視鏡検査逆流性食道炎
当院に受診される方で「他の病院で逆流性食道炎と言われて薬を何年ものんでいます」という患者さんは非常に多いです。
胃もたれや胃酸が上がってくる感じがあり、医療機関で胃カメラを行なって、食道の下部が白かったり炎症で赤い筋ができていれば逆流性食道炎と診断され、胃酸を抑える薬が処方されることが一般的です。しかし病名がついた途端、逆流性食道炎を治すことや予防することが最優先事項になってしまい、逆流性食道炎と診断されるに至った症状である「胃もたれ」や「胃酸が上がってくる感じ」は放置になっていないでしょうか?
冷静に考えてください。治さなければいけないのは逆流性食道炎という医師が診断した病名ですか?それとも胃もたれや逆流感でしょうか?
症状ですよね? 病名を言われた途端、病気を治さなければいけないという論理にすり変わってしまい、気づいたら逆流性食道炎を治すことだけを目標としている医師も患者さんが多いのです。そして終わりのない逆流性食道炎の治療の為に何年も胃酸を抑える薬を飲み続けるという事態になります。
治さなければいけない状態は「胃もたれ」や「逆流感」であり逆流性食道炎ではないはずです。胃もたれの延長線上に逆流性食道炎があるのですから、胃もたれをよくすれば逆流性食道炎も勝手に良くなります。
そして胃もたれを治すには私が何度も言っているように炭水化物を減らす事が特効薬になります。つまり患者さんの食生活が変わらない以上、逆流性食道炎を治すという治療ごっこが終わることはありません。
このことに早く気づくべきですが、専門家に病名を言われるとドキッとしてしまい、その先が考えられなくなってしまうのは仕方が無いかもしれません。私も15年前は食生活を変える事無く胃酸を抑える薬を飲みまくっていましたから。
誤解が無いように追記しますが、逆流性食道炎と言われて何年も薬を飲んでいるからと言って、診察してくれた医師に悪意があるわけではありません。私も昔はそうすべきと教育されてきたので。あくまでも消化器疾患を30年診てきた私の意見だと思って頂ければ幸いです。
この記事を書いた人
福島 正嗣理事長
福島 正嗣理事長
聖マリアンナ医科大学卒業。東京女子医大消化器病センター、東京都保険医療公社多摩南部地域病院など多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化管外科、消化器内視鏡検査、内視鏡検査、内視鏡手術を担当。港北ハートクリニック内視鏡センター内視鏡センター長として勤務後、2017年みらい胃大腸内視鏡クリニック開院。
2020年医療法人社団正令会理事長に就任。