院長ブログ
BLOGバランスが良い食事が重要というワードは思考停止の象徴です。
2022年09月23日医療全般糖質制限
皆さんは食事のバランスを語るときにきっとこのような話になると思います。
「野菜は大事だが野菜ばっかりだとタンパク質が足りないし、肉が美味しいといっても肉ばかりでもがんになるし、やっぱりお米やパンなどを主食としてバランス良く食べる事が重要だよね」
これは一見正しそうな意見ですが、ほぼ他人から与えられた価値観であり、本当にそのバランスが健康に良いかも自分で検証したことがある人はいないと思います。つまりバランスが良い食事が重要という都合の良いワードを多用して自分が好きで依存性が高い食べ物、特に穀物(米、小麦、ジャガイモ)などを食べる事の言い訳にしかなっていないのが現実です。私が患者さんと話してもバランスが良い食事を重視していると強調される方もバランスが悪いために現状が悪いという事実すら気づいていません。
現代社会の常識である食事バランス、つまり糖質が50から60%タンパク質が20%脂質30%が理想的なら日本の現状つまり6人に1人が糖尿病もしくは予備軍といった深刻な事態にはならないと思います。
私自身は消化管の解剖、生理を突き詰めるとやはり人間は肉食が主食の雑食動物と思っています。
このため人間にとって理想の食事バランスはタンパク質、脂質中心(約90%)で糖質は10%もあれば十分と考えます。もちろんこの考え方は社会的にみたら「極端にバランスが悪い食事」と認識されるかもしれません。しかし古典的なフランス料理はこのバランスになります。(現代のフレンチは少し違うかもしれませんが)
ちなみにフランスは脂が多い食事なのになぜか生活習慣病が少ないという現実からフレンチパラドクスと言われ、医学の謎扱いされることがありますが、私からしたら脂を中心とした食事をしたら生活習慣病が少なくなると言うのは当然なのです。
皆さんが理想とされる食事バランスの食事は歴史的にみれば単なる「おもてなし料理」であり健康のことを考えた食事でも無ければ糖尿病を予防するための食事ではなく、食事の満足感を追求しただけのものです。
そのため私はバランスがよい食事というワードは思考停止の象徴と思っています。
この話題はここでは書き切れないので何回かに分けて投稿します。
この記事を書いた人
福島 正嗣理事長
福島 正嗣理事長
聖マリアンナ医科大学卒業。東京女子医大消化器病センター、東京都保険医療公社多摩南部地域病院など多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化管外科、消化器内視鏡検査、内視鏡検査、内視鏡手術を担当。港北ハートクリニック内視鏡センター内視鏡センター長として勤務後、2017年みらい胃大腸内視鏡クリニック開院。
2020年医療法人社団正令会理事長に就任。