院長ブログ
BLOG検診の便潜血は大腸ポリープを発見するために行っているわけではありません。
2021年01月27日大腸ポリープ大腸内視鏡検査
検診で行う便潜血検査ですが多くの方が誤解しているようなので解説します。
便潜血に関してはその名の通り便に僅かな(目には見えない程度)の血液反応があるかないかで大腸検査が必要かどうかを判定するものです。
この検診の目的はあくまでも進行癌やそれに準ずる大きな病変を発見するための最初のステップにとして行われるものです。簡単に書くともしその病気を放置すると2,3年後には亡くなる可能性が高い大きな病変を発見するために行います。
もちろん便潜血陽性の方に大腸内視鏡検査を行うとがんになる前のポリープも見つかることもありますが、これは偶然かあるいは直腸付近にたままま出来ていたポリープで運良く見つかっただけなのです。
受診者側からすると便潜血検査でポリープや早期のがんが見つかることを期待するのは当然ですが、冷静に考えれば便に血が混じっているかどうかで早期の病変が見つかることを期待するのは難しいですし、進行がんで見つかっても嬉しくはないですよね?
このように書くと私が便潜血を否定しているようにも見えますが、そんなことはありません。便潜血で命が助かった人は多いですし、検査を全くしないよりはした方が多くの方が助かるからです。
ただ、便潜血検査は大腸内視鏡検査のように精度が高い検査ではない為、早期の病変を見つけてくれるような期待をするのは望ましくありません。少なくても消化器専門の医師で便潜血検査を毎年受けて陰性だから病気はないよと威張っている人は一人もいませんから。
この記事を書いた人
福島 正嗣理事長
福島 正嗣理事長
聖マリアンナ医科大学卒業。東京女子医大消化器病センター、東京都保険医療公社多摩南部地域病院など多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化管外科、消化器内視鏡検査、内視鏡検査、内視鏡手術を担当。港北ハートクリニック内視鏡センター内視鏡センター長として勤務後、2017年みらい胃大腸内視鏡クリニック開院。
2020年医療法人社団正令会理事長に就任。