院長ブログ
BLOG日本のスポーツ栄養学は30年遅れている。
2018年06月26日医療全般糖質制限
WBCで日本代表の活躍が報道されていますが、あるTV局の報道で日本代表の食事を紹介していたのをみてビックリしました。
前日からパスタなどの炭水化物メインで当日はおにぎり3個というものでしたが、一体いつの時代の栄養学なんでしょうか?
消化器科の立場から言えばお米や炭水化物は10時間近く消化されないもので、最高度の運動をする直前に食べる食事としては全く適していません。経験上、誰だって満腹のまま(消化の悪いものを食べて)運動するなんて暴挙は犯さないと思います。でもこれは炭水化物が消化が良いという勝手な幻想からそうなっているのですが、栄養士もっと最新医学を学んで欲しいと思います。
あとおにぎりを食べる理由はカーボローディングと言って筋肉に糖分を蓄えさせるために行うのですが、筋肉の糖分(グリコーゲン)は30分で枯渇してしまうエネルギー源です。サッカーは90分戦うスポーツなのでカーボローディングはむしろ後半のバテにつながる為、全くおススメ出来ません。カーボローディングが有効なスポーツは短距離走や相撲、重量挙げなどの短時間で終わるスポーツのみ(私自身はこれらのスポーツでもカーボローディングが良いかは疑っています)です。
マラソンやテニスでもそうですが、日本の選手が最後の場面で足が止まってしまうのは間違った栄養学が原因の一つと考えられます。
私が栄養管理者だったらタンパク質と脂質、ミネラルを中心としたエネルギー源を上手にブレンとして胃での消化の良さやインスリンなどのホルモンが追加分泌されないように配慮しながら献立を考えます。
長時間のスポーツを行う方や登山を行う人は必ずと言っておにぎりを選択しますが、それは最悪の選択肢であることを知って欲しいと思います。
この記事を書いた人
福島 正嗣理事長
福島 正嗣理事長
聖マリアンナ医科大学卒業。東京女子医大消化器病センター、東京都保険医療公社多摩南部地域病院など多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化管外科、消化器内視鏡検査、内視鏡検査、内視鏡手術を担当。港北ハートクリニック内視鏡センター内視鏡センター長として勤務後、2017年みらい胃大腸内視鏡クリニック開院。
2020年医療法人社団正令会理事長に就任。