院長ブログ
BLOG検診で胃のポリープを指摘されたら…②
2016年09月30日検診胃ポリープ胃内視鏡検査
ポリープは必ずしも病気では無いことを説明しました。では、胃の場合はどうでしょうか?
胃のポリープは大きく分けて 胃底腺 過形成 炎症性 腫瘍性に分かれます。
この中で治療をする必要性があるポリープは腫瘍性です。これは将来がんに移行する可能性があるので。
過形成、炎症性に関してはごくまれにがんに移行する場合もあるのでフォローは必要ですが、基本的にピロリ菌が関与しているケースが多いのでポリープを取るのではなく、除菌治療を行えば自然消滅が期待できます。
胃底腺ポリープは検診で一番多く指摘されるポリープですが、これは基本的に病気ではありません。
特にピロリ菌がいない方で胃酸分泌が多い方に多いもので、細胞が肥大化しただけのものです。
胃酸分泌が多い若年者に多く、加齢とともに減少していくので治療は不要です。
結論としては検診で胃のポリープを指摘されてもそれほど心配する必要はないのですが、実際に検査をするとポリープ以外の病気が見つかり、「やっぱり内視鏡検査をしておいて良かったね」という場面も多々あります。中には早期がんが見つかり、あの時ポリープだからと言って検査をしなかったらと思うとゾッとします。やはりバリウム検査だけで一喜一憂するのはあまり得策とは言えませんね。
この記事を書いた人
福島 正嗣理事長
福島 正嗣理事長
聖マリアンナ医科大学卒業。東京女子医大消化器病センター、東京都保険医療公社多摩南部地域病院など多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化管外科、消化器内視鏡検査、内視鏡検査、内視鏡手術を担当。港北ハートクリニック内視鏡センター内視鏡センター長として勤務後、2017年みらい胃大腸内視鏡クリニック開院。
2020年医療法人社団正令会理事長に就任。