院長ブログ
BLOG今の季節は特に注意が必要。 黒色便は消化管出血のサインです。
2016年12月12日胃内視鏡検査
年末になると消化管出血で来院される方が多くなります。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、大腸がん、虚血性腸炎、痔核など原因は様々ですが、便の性状をみてすぐにでも受診した方が良い状況もあります。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、大腸がん、虚血性腸炎、痔核など原因は様々ですが、便の性状をみてすぐにでも受診した方が良い状況もあります。
赤い便より怖い黒い便
患者さんの受診のきっかけとして多いのは、排便時に真っ赤な便が出たとケースです。
真っ赤な便があれば誰でもビックリしますが、診察する側とすると、緊急検査の高い便の色は真っ赤よりもむしろ真っ黒な便の方です。
(これはあくまでも緊急性という意味です。真っ赤な便が出ても安心という意味ではありません)
真っ赤な便があれば誰でもビックリしますが、診察する側とすると、緊急検査の高い便の色は真っ赤よりもむしろ真っ黒な便の方です。
(これはあくまでも緊急性という意味です。真っ赤な便が出ても安心という意味ではありません)
真っ黒な便つまり黒色便は別名タール便とは言われ、コールタール(知らない世代の方も多いとは思いますが…)のように真っ黒なためこう名づけられました。
なぜ黒色便が緊急性が高いというと胃や十二指腸からの出血が考えられるからです。
なぜ黒色便が緊急性が高いというと胃や十二指腸からの出血が考えられるからです。
上部消化管(胃や十二指腸)の出血は下部消化管(大腸)よりも命が危険なケースが多い
胃や十二指腸は大腸に比べると血流が豊富な臓器です。
胃潰瘍などから短期間に大出血をきたす場合があります。もちろん吐血する場合は誰でも緊急性に気付きますが、小腸に流れてしまうと赤い血液が胃酸と反応して黒くなり、黒色便となるので、気付かないまま、出血性ショックを起こすケースもあります。
大腸の出血は胃酸に触れる事がないので赤いままで出てきますが、胃や十二指腸のように大出血になるケースは比較的少ないです。
胃潰瘍などから短期間に大出血をきたす場合があります。もちろん吐血する場合は誰でも緊急性に気付きますが、小腸に流れてしまうと赤い血液が胃酸と反応して黒くなり、黒色便となるので、気付かないまま、出血性ショックを起こすケースもあります。
大腸の出血は胃酸に触れる事がないので赤いままで出てきますが、胃や十二指腸のように大出血になるケースは比較的少ないです。
この為、黒色便の場合は緊急で内視鏡検査を行い、出血していないかを急いで確認しなければなりません。
特に忘年会シーズンは暴飲暴食の機会がふえ、胃潰瘍や十二指腸潰瘍で緊急入院される方が多いです。
便が赤くないからと言って安心は出来ませんよ。黒い便はもっと怖いですので、注意が必要です。
特に忘年会シーズンは暴飲暴食の機会がふえ、胃潰瘍や十二指腸潰瘍で緊急入院される方が多いです。
便が赤くないからと言って安心は出来ませんよ。黒い便はもっと怖いですので、注意が必要です。
この記事を書いた人
福島 正嗣理事長
福島 正嗣理事長
聖マリアンナ医科大学卒業。東京女子医大消化器病センター、東京都保険医療公社多摩南部地域病院など多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化管外科、消化器内視鏡検査、内視鏡検査、内視鏡手術を担当。港北ハートクリニック内視鏡センター内視鏡センター長として勤務後、2017年みらい胃大腸内視鏡クリニック開院。
2020年医療法人社団正令会理事長に就任。