院長ブログ
BLOG胃の内視鏡は鼻と口 どっちが楽?
2017年02月20日胃内視鏡検査
最近の内視鏡は細径化が進んでおり、直径が5ミリ程度の内視鏡も登場しています。
この為、従来の常識のように口から挿入せず、鼻から内視鏡を挿入した方が楽なのでは?という方法論があり、現在、鼻からの内視鏡も普及しつつあります。
私も鼻からと口からの内視鏡のどちらの検査も行う事も出来ますので、患者さんの要望によりどちらかを選択させていただく予定です。
鼻からの方が楽なのか?
胃カメラが苦しい原因として嘔吐反射がありますが、上の図のように鼻からのルートだと嘔吐反射の原因となる舌根を刺激しない為、楽に検査が受けられるという訳です。
<画像はフジノンホームページから引用>
画像の質や明るさなど診断に関わる事を考慮に入れず、検査が楽か楽でないだけを比較した場合、口よりも鼻の方が楽だと思います。
鼻の検査も思ったほど楽ではないなと感じた方もいると思いますが、それでも口からよりも楽です。
だだし、日本人の場合は鼻腔が狭い方も多いため、鼻腔が狭い人は口よりもかえって辛かったという場合もあります。
辛かった原因はオエッとはしないが、兎に角スコープが通過する事により鼻が痛かったというケースです。
特に女性に多いので、私も女性には積極的に鼻の内視鏡を勧めません。
そういう場合は鼻から入れる内視鏡を敢えて口から入れるケースもあります。
熟練した内視鏡医なら、敢えて鼻から入れなくても舌根を刺激せずに挿入するテクニックはあります。
究極的に楽なのはやはり鎮静剤を投与する内視鏡です。
胃の内視鏡の方法で一番楽なのは鎮静剤を投与する方法です。これは患者さんのアンケートでもはっきりしています。
ただ、鎮静剤を投与する方法は、検査後の休憩が必要だったり、妊娠中や授乳中の母さんには出来ないというデメリットもあります。
検査を受ける患者さんの状況により、鎮静剤を使えない場合は鼻からが楽ですが、鼻が狭い人は口からの内視鏡をお勧めします。
この記事を書いた人
福島 正嗣理事長
福島 正嗣理事長
聖マリアンナ医科大学卒業。東京女子医大消化器病センター、東京都保険医療公社多摩南部地域病院など多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化管外科、消化器内視鏡検査、内視鏡検査、内視鏡手術を担当。港北ハートクリニック内視鏡センター内視鏡センター長として勤務後、2017年みらい胃大腸内視鏡クリニック開院。
2020年医療法人社団正令会理事長に就任。